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歯周病と肺炎(誤嚥性肺炎)の関係について|箕面市の歯医者

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カテゴリ:医院コラム

歯周病と肺炎(誤嚥性肺炎)の関係について|箕面市の歯医者

箕面市 歯医者 平野歯科クリニック

院長 平野 琢起

こんにちは。

箕面市平野歯科クリニックの院長 平野琢起です。

 

みなさんは口の中が原因で肺炎になることを知っていますか?

肺炎は死亡原因の中でも上位に入ります。2020年の厚生労働省の調べによると第5位に入り、また誤嚥性肺炎は第6位に入っています。

「肺炎と口の中(歯)はどのような関係があるの?」と思われる方もいると思います。

そこで本日は「歯周病と肺炎について」解説していきたいと思います。

主な死因の構成割合(令和2年(2020))

【出典】令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚労省)

 

上記で肺炎と誤嚥性肺炎が第5位6位とお伝えしました。

日本人の死亡原因の中でも肺炎は上位を占めます。

肺炎は肺にウイルスや細菌が入り炎症することで起きる病気です。

肺炎にはアレルギー性肺炎や間質性肺炎、マイコプラズマ肺炎、誤嚥性肺炎など他にも多くの種類があります。

その中でも誤嚥性肺炎は高齢者に多くみられ、歯と関係があります。

 

〇誤嚥性肺炎とは

本来、食べ物や飲み物、唾液は飲み込んだ時に食道に入り胃へと送られていきますが、飲み込む時に誤って気道に入ることを誤嚥といいます。

誤嚥した時に口の中が汚れていると口の中にいる細菌やウイルスも一緒に気道から肺へと入っていくため、肺が炎症し誤嚥性肺炎を引き起こします。

 

また、誤嚥性肺炎が高齢者に多いのは喉の筋力の低下などで飲み込む力が弱くなったり、抵抗力が下がったり、口の中が汚れている、上手く咳き込むことができないなどが高齢者にみられるからです。

 

その他、食事中だけではなく、睡眠時も注意が必要です。睡眠中に増殖した口腔内の細菌を気づかず誤嚥してしまうこともあります。特に要介護者の方は、気づかずに誤嚥を繰り返し行っていることもあるので注意が必要です。

 

◯誤嚥性肺炎がもたらす症状

このパートでは誤嚥性肺炎がもたらす症状について詳しく解説をしていきたいと思います。

先程もお伝えしたとおり、誤嚥性肺炎は唾液や食べ物と一緒に細菌が肺や気管支に入ることで発症する疾患のことですが、具体的にどのような症状が発症するかというと、典型的な発症例としては、咳や発熱、濃い色の痰などが代表的です。また、呼吸が苦しくなったり、肺に雑音を感じるなどの症例が現れることもあります。注意が必要なのは高齢者の方です。高齢者の方の場合、これらの症状が現れにくいということもあるので、日頃の行動や症状をよくよく観察する必要があります。主に現れる症状は下記の通りです。

 

・食後に疲れを感じるようになった

・急に元気がなくなった

・夜間に咳をすることが多くなってきた

・急にぼーっとすることが多くなってきた

・おもらしをすることが多くなってきた

・食事の時間が長くなると、呼吸が苦しくなるようになった

・最近、体重の減りが早くなってきた

 

以上のような症状が見られる場合は、すぐにかかりつけの医師や病院に相談するようにしてください。

 

〇歯と肺炎の関係

歯周病菌は細菌感染です。口の中が汚れていて細菌のコントロールができていないと

唾液に含まれている細菌(歯周病菌)が誤って気管から肺へと入り肺を炎症させます。

誤嚥性肺炎を引き起こす原因となる菌の多くは歯周病菌であると言われています。

そのため口の中の細菌のコントロールができておらず中等度以上の歯周病の方は要注意です。

 

また、すべての誤嚥が肺炎になるというわけではありません。

自身の抵抗力、免疫力、体力、筋力などが下がっていなければ唾液・食べ物の量や細菌の数とのバランスが取れ誤嚥性肺炎を防ぐことができると言われています。

 

 

○誤嚥性肺炎を防ぐためには

①口、喉の筋力をきたえましょう。

口や喉の筋力をきたえることで噛む、飲み込む力が向上し誤嚥性肺炎のリスクが下がります。

口や喉の筋力アップのトレーニングとして「パタカラ体操」がおすすめです。どのように行う方というと、発生をしながら口を動かし、口腔筋を鍛えるトレーニングです。

「パタカラ運動」とは文字通りで「パ」「タ」「カ」「ラ」の4文字を発音しながら、トレーニングを行っていきます。

まずは、「パ」「タ」「カ」「ラ」を1音ずつ発音をしていきます。

その次に連続の発音を行って行きます。

「パパパパ・・・・」「タタタタ・・・・」「パタカラ、パタカラ、パタカラ・・・」のように発音を行っていきます。

最後に文の発音です。

代表的なものが「パンダの宝物」というものです。

「パンダのたからもの、パンダのたからもの・・・」と繰り返し発音をするようにします。

この3つを各10回程度行い、口腔筋を鍛えていきます。ぜひ試してみてください。

 

②食事を工夫しましょう。

高齢者は唾液の量が少ないためむせることが多くなるので

水分を含んだり、とろみのある滑りよい食事にすると喉に食べ物が通りやすくなります。

 

◎とろみをつけた食べ物

・あんかけ

・卵とじ

・市販のとろみ剤を用いた食事

 

◎飲み込みやすいように形を変える

・レタスやきゅうりなどは千切りややや細めに切る

・葉物野菜は巻いて食べる

・お餅やお団子などは、小さくちぎるなど食べやすい形にする

 

・早く食べると誤嚥しやくなるためよく噛み、ゆっくり食べましょう。

 

・食事の姿勢が悪いと誤嚥のリスクが高まります。また食後すぐに寝てしまうと胃に入った食べ物が逆流してしまう恐れがあるため食後30分ぐらいは座位を保ちましょう。

 

食べる際の注意点や姿勢は具体的には下記の通りです。

まずは誤嚥しないように食べることに集中するようにしましょう。

 

・顎を引いた状態で食事を摂るようにする

・椅子に深く腰をかけ、かかとしっかりと床につけた状態にする

・身体とテーブルの距離はこぶし1つ分くらいあけるようにする

 

逆に下記のような食べ方はしないようにしてください。

 

・背中が丸くなっている状態で食事をとる

・顎を突き出した状態になっている

・身体とテーブルの距離が遠い状態になっている

・足が浮いた状態になっている

 

食事を摂る際には、食事の前にかならず水分を含み、のどの通りを良くするようにしてください、また、一口で食べる量を少なくし、一気に食べることが避けるようにしましょう。

 

 

③口の中をキレイに保ちましょう。

細菌(歯周病菌)が増え抵抗力が落ちると肺炎を引き起こすため毎日のブラッシングをしっかり行い、口の中の細菌をコントロールしましょう。また、舌にもウイルスや細菌が付着するため舌磨きをするのも効果的です。

歯周病は静かに進行するためご自身では歯周病になっているかわからないこともあります。

そのため歯医者さんで定期的に健診、クリーニングを受けるようにしてください。

ご自宅でのセルフケアに限界があり、付着した細菌全てを取り除くことはできません。

自宅でセルフケアを行うよりも歯科医院のプロのクリーニングを受けると肺炎の発症リスクを大きく下げられるという臨床結果が出ています。

 

当院での歯科衛生士によるクリーニングを行っていますので、気になる症状等あれば、お気軽にご相談ください。

 

箕面市 歯医者 平野歯科クリニック

院長 平野 琢起

 

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