箕面市の歯医者 平野歯科クリニック
院長 平野琢起
こんにちは。
箕面市平野歯科クリニックの院長 平野琢起です。
本日は「歯石と歯垢の違いは?」について解説していきたいと思います。ほとんどの方が歯石、歯垢を同じようなものだという認識を持っていますので、ぜひ最後までご覧いただき、正しい知識を身につけていただければと思います。
□歯垢について
歯垢とは別名プラークとも呼ばれています。歯垢と聞くとほとんどの方が食べ物の残りカスをイメージされる方が多いですが、実はまったく別のものです。
皆さんは歯の表面に触れたときにネバネバしたものが付いた経験はありませんでしょうか?実はこれが歯垢です。
そして、歯垢は細菌のかたまりです。歯垢は歯の表面に複数の細菌(微生物)が付着し増殖したものです。歯垢は複数の細菌が集まり重なって形成されるため、バイオフィルムの一つであると言われています。
□バイオフィルムとは?
物質の表面に微生物(細菌)が付着し集まり重なってできたものです。
身近なところで言うとお風呂や排水溝、キッチンの三角コーナーで見られるヌメリがバイオフィルムにあたります。このバイオフィルムの特徴としては簡単に剥がれないことです。排水溝のヌメリもしっかりと擦らないと除去できないのと同様です。
□歯垢が及ぼす危険性について
歯垢は虫歯・歯周病の発症や進行に大きく関与します。歯垢が長く歯の表面に付着した状態が続くと歯肉に炎症が始まります。これがいわゆる歯肉炎というものです。その歯肉炎を放置すると歯周炎になり、歯周病がどんどん進行していきます。
□歯垢の除去の方法
歯垢は歯の表面に強く付着し洗口では取れないため歯ブラシやデンタルフロスを使用し
除去しましょう。特に奥歯や歯と歯の間、歯茎の境目などは付着しやすいです。
また、歯茎の中に入り込んだ歯垢(歯肉縁下プラーク)は一般のセルフケアでは除去することができません。歯科医院に通い、スケーリングなどによる機械的除去(プロフェッショナルケア)が有効になります。
食べカスと歯垢は別のものとお伝えしましたが、食べカスは歯垢の中にいる細菌の栄養源となるため残さず取り除くことが重要となります。
□歯石について
歯石は歯垢が唾液中に含まれるカルシウムなどと結合し、石灰化したものです。個人差はありますが、歯垢が2~3日で石灰化し始め歯石へと変化します。
歯ブラシでは取れないので、歯科医院で除去してもらわなければなりません。
〇歯肉縁上歯石(歯茎の上に付く歯石)
肉眼で見ることができ、下の前歯の裏側と上の奥歯の外側に付きやすいです。
一般に黄白色で比較的簡単に器具で除去できます。
〇歯肉縁下歯石(歯茎の中に入り込んだ歯石)
病的な歯茎の内側に入り込んで歯面に強固に沈着します。色は黒褐色で歯周病菌の絶好の住み家となり放っておけば歯を支えている骨がどんどん溶かされ歯は抜け落ちてしまいます。
歯石自体には病原性はないですが、歯石の表面は粗造でザラザラしているため多くの歯垢が付着しやすく、歯茎の隙間に入り込んだ歯周病菌はどんどん増殖し毒素を出し始め、歯茎を腫れさせます。
歯石かな?と思ったら早めに歯科医院で除去してもらうことが重要です。
また、歯石は一度除去してもしばらくすると再付着します。定期的に除去し、正しい歯磨きをマスターして歯垢を確実に除去することが歯周病予防につながります。
□まとめについて
歯垢、歯石の違いについてはご理解いただけましたでしょうか?歯垢が固まったものが歯石ということになりますが、とにかく歯石になる前に清潔な口腔内を維持することが重要です。前述の通り、歯垢をセルフケアだけで取り除くことは難しく、歯科医院で専門的な処置を受けていただくことをおすすめいたします。当院でも専門の歯科衛生士によるクリーニングを行っておりますので、お困りのことありましたら、ぜひお越しください。
箕面市の歯医者 平野歯科クリニック
院長 平野琢起