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唾液の働きと「あいうべ体操」について

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カテゴリ:医院コラム

唾液の働きと「あいうべ体操」について

こんにちは。 箕面市の歯医者、平野歯科クリニックの歯科助手、細井です。

皆さん、お口の中が乾燥して唾液の分泌が少なくなると、

虫歯や歯周病、ドライマウス、口臭、口内炎、ヘルペスなどが起こりやすくなるのをご存知でしょうか?

では、唾液にはどのような働きがあるのでしょうか?

唾液の重要な働き

唾液は、私たちの口腔内の健康を維持するために多くの重要な役割を果たしています。

ここでは、その具体的な働きについて詳しく説明します。

潤いを保つ働き

唾液は、お口の中の粘膜を保護し、潤いを保つ役割を果たします。粘膜が乾燥すると、以下のような問題が発生しやすくなります:

  • 炎症:乾燥した粘膜は、刺激に対して敏感になりやすく、炎症を引き起こすことがあります。
  • 痛み:乾燥によるひび割れや傷が痛みを伴うことが多いです。
  • 感染症:湿った環境は細菌やウイルスの繁殖を防ぐ効果があり、乾燥するとこれらの病原体が繁殖しやすくなります。

唾液の潤い効果は、口腔内の快適さと健康を保つために非常に重要です。

消化作用

唾液には、デンプンを分解する酵素(アミラーゼ)が含まれています。これは食べ物を咀嚼する際に以下のような消化作用を助けます:

  • 食べ物の分解:アミラーゼがデンプンを分解することで、食べ物がより小さな分子に変わり、消化しやすくなります。
  • 胃腸への負担軽減:口の中での初期消化が進むことで、胃や腸での消化がスムーズになり、消化器官への負担が軽減されます。
  • 栄養吸収の向上:唾液による初期分解が進むことで、栄養素の吸収が効率的に行われます。

虫歯を防ぐ働き

虫歯は、お口の中が酸性に傾くことで歯のエナメル質が溶け出し、細菌が歯を侵食することで発生します。唾液はこのプロセスを以下の方法で防ぎます:

  • 酸の中和:唾液には重炭酸塩が含まれており、これが口内の酸を中和する役割を果たします。
  • 再石灰化の促進:唾液中のカルシウムやリン酸が歯の表面に再び取り込まれ、エナメル質の修復を助けます。
  • 保護膜の形成:唾液のムチンは歯の表面に薄い保護膜を形成し、酸や細菌から歯を守ります。

抗菌作用・解毒作用

唾液には、リゾチームやラクトフェリンといった抗菌成分が含まれており、これらが以下のように口内の健康を守ります:

  • 細菌の抑制:リゾチームは細菌の細胞壁を破壊し、細菌の増殖を抑えます。
  • ウイルスの抑制:ラクトフェリンはウイルスが細胞に侵入するのを防ぎます。
  • 免疫力の向上:唾液中のIgA(免疫グロブリンA)は、病原体に対する免疫応答をサポートし、感染予防に役立ちます。

これらの抗菌作用により、唾液は歯周病や口臭、風邪やインフルエンザの予防にも効果的です。

傷の治癒促進

唾液には成長因子(EGF、NGF)が含まれており、口内の傷の治癒を促進する作用があります。具体的には:

  • 細胞再生の促進:成長因子は細胞の再生を促進し、傷ついた組織の修復を早めます。
  • 炎症の軽減:抗炎症成分が含まれており、炎症を抑えることで傷の治癒を助けます。
  • 傷の保護:唾液は傷口を潤し、外部からの細菌感染を防ぐ役割も果たします。

これにより、口内炎やその他の口内の小さな傷が早く治ることが期待できます。

味覚を保つ

唾液は食べ物を溶かし、味蕾(みらい:味覚を感じる細胞)に届けることで、味覚の正常な働きを保ちます。唾液が少ないと以下の問題が発生します:

  • 味覚の鈍化:唾液が不足すると味蕾が十分に刺激されず、味が感じにくくなります。
  • 味覚異常:持続的な唾液不足は味覚のバランスを崩し、味覚異常(例えば、苦味や金属味を感じる)を引き起こすことがあります。
  • 食欲の低下:味覚が鈍ると食欲も減退し、結果的に栄養バランスが崩れる可能性があります。

唾液の分泌を促す「あいうべ体操」

今回は、お口の中の健康維持には欠かせない唾液の分泌を促すために、簡単な体操「あいうべ体操」をご紹介致します。最近、よくテレビやネットでも紹介されているので、ご存知の方も多いかと思います。

「あいうべ体操」は4つの簡単な動作を繰り返すだけです。

  1. 「あー」とお口を大きく開く。
  2. 「いー」とお口を大きく横に開く。
  3. 「うー」とお口を強く前に突き出す。
  4. 「べー」と舌を突き出して下に伸ばす。

無理のない範囲で①~④の動きを1セット1回で、4秒前後かけてゆっくりと行って下さい。1日30回(例:朝・昼・夜10回ずつ)を目安に繰り返すとおすすめです。

あいうべ体操のさらなる効果

口腔機能の向上

「あいうべ体操」を行うことで、口周りの筋肉が鍛えられ、口腔機能全体の向上に繋がります。これにより、嚥下障害(飲み込みの障害)の予防や改善も期待できます。口腔機能の低下は、高齢者や病気を持つ方に特に影響が大きく、日常生活の質を大きく左右します。

睡眠時無呼吸症候群の改善

口周りの筋肉を鍛えることで、睡眠時無呼吸症候群の改善に役立つことが報告されています。口や舌の筋肉が強化されることで、気道が広がりやすくなり、呼吸がスムーズになる効果があります。これにより、いびきの軽減や睡眠の質向上が期待できます。

顔のリフトアップ効果

「あいうべ体操」を行うことで、顔全体の筋肉が活性化し、リフトアップ効果も期待できます。顔のたるみやシワの予防にも繋がります。美容面での効果もあり、若々しい表情を保つためのサポートとなります。

まとめ

唾液には、口内の健康を保つための多くの重要な役割があります。唾液の分泌を促進するためには、日常的なケアが欠かせません。「あいうべ体操」は、簡単にできる唾液分泌促進法として、多くの効果が期待できます。ぜひ、日々の生活に取り入れてみてください。

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