こんにちは
箕面市の歯医者 平野歯科クリニック 歯科衛生士の延原です。
12月に入り寒さも本格的になってきましたね。みなさまお体に気を付けてお過ごしください。
ところで、『こどもの指しゃぶりが治らない・・・』などお子さまがいつもしている口周りに関する癖はありませんか?
このような癖が治らず、続いていると気になりますよね。
上記のような癖の事を口腔習癖(こうくうしゅうへき)と言います。
では口腔習癖とはどんなものか今回お話させて頂きますね。
☆口腔習癖ってなに?
口腔習癖とは無意識に行っている口周りに関する癖のことをいいます。
この癖が長く続くと歯並びや噛み合わせに悪い影響を与えることがあるため注意が必要です。
☆こんな癖が原因で歯並びに影響が出ます!!
〇指しゃぶり(吸指癖 きゅうしへき)
指をくわえ、吸う癖のことをいいます。親指を吸うことが多いですが様々です。
指しゃぶりは口腔習癖の中で多く見られます。
□歯並びへの影響
指を吸うことにより上の前歯は前に押され、下の前歯は後ろに押されます。
そのため出っ歯(上顎前突)や奥歯で噛んでも上の前歯と下の前歯が噛み合わず隙間があく噛み合わせ(開咬)になります。
〇舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)
舌を歯に押しあてる、上下の前歯の間に舌を突き出す癖のことをいいます。
□歯並びへの影響
飲み込む時など舌を前に突き出すため前歯が前に押され、奥歯で噛んでも上の前歯と下の前歯が噛み合わず隙間があく噛み合わせ(開咬)になります。
〇吸唇癖・咬唇癖(きゅうしんへき・こうしんへき)
唇を吸ったり、唇を歯で噛んだりする癖のことをいいます。特に下の唇を吸ったり噛んだりすることが多いです。
□歯並びへの影響
下の唇を吸ったり噛んだりすると、下の前歯が後ろに倒れ上の前歯が前に押されるため出っ歯(上顎前突)や奥歯で噛んでも上の前歯と下の前歯が噛み合わず隙間があく噛み合わせ(開咬)になります。
〇口呼吸(こうこきゅう)
鼻での呼吸ができず口で呼吸をすることをいいます。
□歯並びへの影響
上あごは鼻に空気が通って広がっていくので、鼻で呼吸ができていないと上あごは成長しません。成長しないと上あごが狭くなり出っ歯(上顎前突)やガタガタした歯並び(叢生)になります。
また、口で呼吸すると舌が上にあがらず低い位置にいるため上あごは成長しません。
正しい位置に舌を置くことが必要になります。
その他に頬杖をつく、口をポカンと開ける、爪を噛むなどの口腔習癖もあります。
また、このような癖を行う頻度や強さも歯並びや噛み合わせに影響すると言われています。
☆口腔習癖を治すためにはどうする?
4歳ぐらいまでの指しゃぶりは成長過程にみられる生理的なものなので、必ず無理にやめさせる必要はないと言われています。
指しゃぶりは退屈だからする、眠たいからする、不安な時にする、お腹がすいたからするなど様々な場面ですることがあります。お子様がどんな時に指しゃぶりをするのか観察してみてください。
5~6歳過ぎても続く場合は歯並びに悪い影響を与えるため治した方がいいですが、一方的にやめさせるのではなく、お子さまの意志でやめるようにすることが大切です。
例えば眠たい時にするならば指しゃぶりをしないように手を握って安心させてあげるなど
コミュニケーションを図り様子をみてください。
アレルギー性鼻炎などが原因で口呼吸している場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、口が常に開いたままになっていると舌の位置が下がります。舌の位置が低いと口周りの筋肉やあごの成長に悪い影響を与えるため、口を閉じ正しい位置に舌を置くことが必要です。
◎正しい舌の位置→上あごについている(上の前歯の後ろ)
口腔習癖は無意識にしている癖なのですぐに治すのは難しいです。多くのお子さまは自然となくなるので焦らず温かく見守ってくださいね。
気になる症状がございましたらお気軽にご相談ください。
イラスト引用先
http://www.shika-sozai.com(歯科素材屋さん様)
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