こんにちは!平野歯科クリニック歯科衛生士の岡本です。
先日、患者さんにご挨拶した時に
「歯科衛生士ってどんなことをするのですか?」
とご質問をいただきました。
私は20年ほど歯医者のお仕事をしているのですが、
「看護婦(師)さん」(そうだね、歯の看護師さんだね♪)
「歯医者のおねえさん」(おねえさんっていってくれてありがとう!)
「歯医者の先生」(先生!?そんなに偉くないですよ〜)
と言われます。
そこで今日は私達、『歯科衛生士』がどんなことをしているのか、ご紹介させていただこうと思います。
☆歯科衛生士は国家資格!☆
『歯科衛生士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、歯科医師(歯科医業をなすことのできる医師を含む。以下同じ)指導の下に、歯牙及び口腔の疾患の予防処置として次に掲げる行為を行うことを業とするものをいう。』
(歯科衛生士法第2条より)
つまり厚生労働省が認定している国家資格、国の法律で証明されている資格で歯科においては欠かすことの出来ない重要な職種なのです!
☆歯科衛生士の主な業務内容は?☆
『歯科予防処置』
知っていますか?
歯を失う原因の90%が虫歯や歯周病です。
この2つの疾患の原因である歯垢や歯石(いわゆる細菌の塊)を機械的、専門的に除去し疾患を予防するための医療技術のことをいいます。
またフッ化物(フッ素)を歯に塗る、シーラント(歯の深い溝を埋める)とよばれる虫歯予防の処置も行います。
虫歯や歯周病を予防することは、何歳になってもお口から食事ができる手助けとなるため、重要な役割になっています!
『歯科診療補助』
歯科診療は、歯科医師を中心とした「チーム医療」として行われています。
歯科衛生士は歯科診療を円滑に行うために、歯科医師の診療を補助するとともに、歯科医師の指示を受けて歯科治療の一部を担当するなど、歯科医師との協働で診療にあたります。
※歯科医師の診療の補助は、出来る範囲は異なりますが、歯科助手さんも活躍しています!
『歯科保健指導』
「生活習慣病」ときくと、糖尿病や高血圧を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は虫歯も歯周病も生活習慣病です。
虫歯、歯周病の原因であるプラーク(歯垢)という細菌の塊をコントロールすることは日々の歯磨きの習慣をはじめ、生活上のあらゆることに起因します。その生活習慣の問題点を発見し、改善策を提案するのは歯科衛生士の役目でもあります。
☆ここでも歯科衛生士は活躍しています!☆
歯科衛生士の活躍の場は当院のような「歯科医院」といわれている「一般診療所」以外にも「病院」、「介護、福祉施設」「保健センター」「歯科関連企業」「歯科衛生士教育施設(専門学校等)」など活躍の場は多くあります!
<病院>
病院の歯科では一般診療所で対応が難しいものや、重篤な全身疾患のある方などの体調を医科と連携を取りながら診療にあたっています。
歯科衛生士の役割としては、外来での歯科診療の補助はもちろん、口腔外科手術の準備や補助、医科の手術前後の感染症を予防するお口の中のケアなどです。
特に周術期(入院、麻酔、手術、回復といった術中だけでなく前後の期間を含めた一連の期間)の口腔ケアは、口腔内細菌が口から体内に入ることで引き起こされる、感染を防ぐことを目的として行われます。
また、全身麻酔下で口から気管にチューブを挿入する際に、口から肺に口腔内細菌が入ることで誤嚥性肺炎を引き起こすといわれていますが、術前の口腔ケアにより、術後の誤嚥性肺炎のリスクを大いに下げることができます。
周術期等口腔管理において口腔ケアを積極的に行うため、歯科医師の診療補助以上に歯科予防処置と歯科保健指導が主な業務となります。
<介護・福祉施設>
健康寿命を延ばすためには栄養補給はとても重要です。
「食べる」「飲み込む」ことが年齢とともに衰えてくると、肺炎などのリスクにもなることから、高齢者向けの口腔ケア、食べる、噛む、飲み込むためのリハビリテーションの分野で活躍しています。
誤嚥性肺炎は時に死をもたらすこともあるため、口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防は、周術期に限らず、医療や介護の現場において非常に重要視されています。
<保健センター>
マタニティークラスや乳幼児の検診などで「歯のお話」や「はみがき指導」でご存知の方もいらっしゃると思います。
自治体が運営する保健センターでは、地域の方々の健康を守るために歯磨き指導など歯科保健指導や歯科検診の補助が主な業務です。
毎日の健康を支えるお口のケアを浸透させることは公共性のある保健センターにとって大きな役割の一つです。
<歯科関連企業>
皆様の身近な歯科関連企業としては、歯ブラシなどや歯磨き粉、入れ歯洗浄剤の会社ありますが、治療に来ていただいた時に座る診療台や治療に使われる器械や材料もそうですね。
企業の歯科衛生士は歯科医院や病院へ自社製品の営業、機器の使い方やアフターフォローを担当することもあります。また商品開発では歯科衛生士が中心となって使用することの多い歯ブラシや歯間ブラシなどの予防歯科関連商品の開発、歯石をとるための器具機材の開発、ディスポーザブル製品の開発などに従事します。
その他には、所属企業が行うセミナーの講師を行います。
私達の知識や技術の習得に力になってくれる存在です!
<歯科衛生士教育施設>
歯科衛生士になるためには、歯科衛生士を養成するための教育施設(専門学校や短大・大学)で3年以上の規定のカリキュラムを学び卒業し、国家試験を受け、合格しなければなりません。
その教育施設で働く先生、歯科衛生士に「歯科診療補助」「歯科予防処置」「歯科保健指導」などを学びます。
歯科衛生士になる過程において、最も身近な歯科衛生士かもしれませんね。
歯科衛生士はいろんなところで、お口の健康だけではなく、身体の健康も守るプロです!
なにかお困りのことなどありましたら、いつでもご相談下さいね!
それでは!
イラスト引用先:歯科素材屋さん様