こんにちは。箕面市の歯医者 平野歯科クリニック歯科医師の日高です。
梅雨入りしジメジメした日が続いていますね(><)みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は『挺出(ていしゅつ)』についてお話ししたいと思います。
そもそも、挺出といわれても聞き慣れないですよね~(^^;
虫歯が進行したり、歯が折れてしまって
歯が歯ぐきの下まで無くなってしまったとき
に行う治療方法です。
仮に、残っている根っこの治療を行い、歯を保存しても長期的な予後は期待できません。そのため、歯の根っこしか残っていなければ、一般的には抜歯しインプラントやブリッジが治療方法の選択肢になります。
でもでも!歯を抜くのは嫌ですよね><
このように抜歯の可能性がある歯に対し、
歯を引っ張り出すことで、歯を保存していくように図る処置のことを挺出といいます。
挺出治療を行うことでのメリットはこれだけではありません。
歯ぐきより上に歯がない状態で、歯と被せ物の繋ぎ目の役割である土台(コア)を立てると、被せ物が外れる可能性が大幅に上がってしまうんですが、挺出することでフェルール効果が得られて、被せ物が外れにくくなります。
いや。フェルールって何さ!?!?
先ほども言った通り、被せ物が歯ぐきの中の土台部分にのみ付いていると、噛んだ時の力がダイレクトに土台のみに伝わり、土台が壊れたり、被せ物が外れたりする原因になります。
しかし、挺出させ、歯を歯ぐきより最低1mm出してあげることで、土台だけでなく根っこにも噛んだ時の力が分散され、これらが起きにくくなります。
この力分散のことを、フェルール効果といいます。
フェルール効果は力分散だけでなく、被せ物が外れることによる細菌の侵入からの感染を防ぐためにもとても重要です。
↓歯が歯ぐきの中に埋まってしまっています。
↓挺出装置を付けて歯を引っ張っているところです。
↓最終的な被せ物が入った状態です。
一見、保存できないような歯も挺出という治療方法を用いることで抜歯を回避することが出来ます。
ただし、挺出した歯は根っこが短くなるため、メンテナンスにしっかり通っていただき経過観察をしていくことが大切です。
こういった、もともとハンデのある歯を残すことによって、患者さんと当院が歯を持たせる意識を共有することができ、患者さんの意識が高まることで、結果的に、他の歯も含めてお口の中全体を健康に保つことが出来るのではないかと考えています。
この治療に適した歯かどうかは見せていただいてから判断させていただきますので、お気軽にご相談ください(^^)