こんにちは。箕面市平野歯科クリニックの院長、平野琢起です。
『こどもの指しゃぶりが治らない…』といったお子さまの口周りに関する癖に悩んでいませんか?このような癖が続くと心配ですよね。今回は、口腔習癖について詳しく解説し、その影響と対策についてお話しします。
■口腔習癖とは?
口腔習癖とは、無意識に行っている口周りに関する癖のことを指します。これらの癖が長期間にわたって続くと、歯並びや噛み合わせに重大な悪影響を与える可能性があるため、特に注意が必要です。口腔習癖は幼少期に始まることが多く、適切なタイミングで気づき、対策を講じることが重要です。以下に、代表的な口腔習癖について詳しく解説します。
指しゃぶりは、口腔習癖の中でも最も一般的なものです。この癖は、親指を吸うことが多いですが、他の指を吸う場合もあります。指しゃぶりは、乳児期から幼児期にかけて自然に見られる行動ですが、長期間続くと様々な問題を引き起こす可能性があります。
歯並びへの影響
指を吸うことで、上の前歯が前方に押し出され、下の前歯が後方に押されます。この結果、以下のような歯並びの問題が生じる可能性があります。
舌突出癖とは、舌を歯に押し当てる、または上下の前歯の間に舌を突き出す癖を指します。この癖は、主に無意識のうちに行われ、特に飲み込む動作の際に見られることが多いです。
歯並びへの影響
舌を前方に突き出す動作は、前歯に直接的な圧力を加えるため、次のような問題を引き起こします。
吸唇癖は、唇を吸う癖、咬唇癖は、唇を噛む癖を指します。特に下唇を吸ったり噛んだりすることが多く見られます。
歯並びへの影響
これらの癖は、以下のような影響を及ぼすことがあります。
口呼吸とは、鼻での呼吸が困難で口で呼吸をする状態を指します。この状態は、アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲などの鼻の疾患が原因となることがあります。
歯並びへの影響
口呼吸は、以下のような影響を及ぼすことがあります。
その他の口腔習癖には、以下のようなものがあります。
これらの癖も、長期間続くと歯並びや噛み合わせに影響を与えることがあります。お子さまの行動を観察し、必要に応じて専門医に相談することが大切です。
■口腔習癖を治すためには?
4歳ぐらいまでの指しゃぶりは成長過程の一部であり、無理にやめさせる必要はありません。しかし、5~6歳を過ぎても続く場合は歯並びに悪影響を与えるため、治すことを考えるべきです。
お子さまがどんな時に指しゃぶりをするのか観察し、適切な対応を考えましょう。例えば、眠る時に指しゃぶりをするならば、手を握って安心させるなどの方法があります。
アレルギー性鼻炎が原因で口呼吸している場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。また、口を閉じ、正しい位置に舌を置くことが必要です。正しい舌の位置は、上あごについている(上の前歯の後ろ)状態です。
■最後に
口腔習癖は無意識に行われるため、すぐに治すのは難しいことがあります。多くのお子さまは成長と共に自然と癖がなくなるので、焦らず温かく見守ってください。気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。