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気になるこどもの指しゃぶり!

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カテゴリ:医院コラム

気になるこどもの指しゃぶり!

こんにちは。箕面市平野歯科クリニックの院長、平野琢起です。

『こどもの指しゃぶりが治らない…』といったお子さまの口周りに関する癖に悩んでいませんか?このような癖が続くと心配ですよね。今回は、口腔習癖について詳しく解説し、その影響と対策についてお話しします。

 

■口腔習癖とは?

口腔習癖とは、無意識に行っている口周りに関する癖のことを指します。これらの癖が長期間にわたって続くと、歯並びや噛み合わせに重大な悪影響を与える可能性があるため、特に注意が必要です。口腔習癖は幼少期に始まることが多く、適切なタイミングで気づき、対策を講じることが重要です。以下に、代表的な口腔習癖について詳しく解説します。

 

  1. 指しゃぶり(吸指癖)

指しゃぶりは、口腔習癖の中でも最も一般的なものです。この癖は、親指を吸うことが多いですが、他の指を吸う場合もあります。指しゃぶりは、乳児期から幼児期にかけて自然に見られる行動ですが、長期間続くと様々な問題を引き起こす可能性があります。

歯並びへの影響

指を吸うことで、上の前歯が前方に押し出され、下の前歯が後方に押されます。この結果、以下のような歯並びの問題が生じる可能性があります。

  • 上顎前突(出っ歯): 上の前歯が前方に突出し、顔貌に影響を与えることがあります。特に笑顔の際に歯が目立つことが多く、審美的な問題を引き起こすことがあります。
  • 開咬: 上の前歯と下の前歯が噛み合わず、隙間ができる状態です。これにより、前歯で食物を噛み切ることが難しくなり、食事の際に不便を感じることがあります。

 

  1. 舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)

舌突出癖とは、舌を歯に押し当てる、または上下の前歯の間に舌を突き出す癖を指します。この癖は、主に無意識のうちに行われ、特に飲み込む動作の際に見られることが多いです。

歯並びへの影響

舌を前方に突き出す動作は、前歯に直接的な圧力を加えるため、次のような問題を引き起こします。

  • 開咬: 前歯が前方に押し出され、上下の前歯が噛み合わない状態です。この状態が続くと、前歯で食べ物をしっかりと噛み切ることが難しくなり、噛み合わせ全体のバランスが崩れる可能性があります。
  • 上顎前突: 前歯が前方に突出することで、審美的な問題が生じます。また、発音や言語発達に影響を与えることもあります。

 

  1. 吸唇癖・咬唇癖(きゅうしんへき・こうしんへき)

吸唇癖は、唇を吸う癖、咬唇癖は、唇を噛む癖を指します。特に下唇を吸ったり噛んだりすることが多く見られます。

歯並びへの影響

これらの癖は、以下のような影響を及ぼすことがあります。

  • 上顎前突: 下唇を吸うことで、上の前歯が前方に押し出されるため、上顎前突が生じます。この状態は、審美的な問題だけでなく、噛み合わせのバランスを崩し、咀嚼効率にも影響を与えます。
  • 開咬: 上の前歯と下の前歯が噛み合わず、開咬状態になります。これにより、食物を噛み切る能力が低下し、食事の際に困難を感じることがあります。

 

  1. 口呼吸(こうこきゅう)

口呼吸とは、鼻での呼吸が困難で口で呼吸をする状態を指します。この状態は、アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲などの鼻の疾患が原因となることがあります。

歯並びへの影響

口呼吸は、以下のような影響を及ぼすことがあります。

  • 上顎の成長不全: 鼻での呼吸ができないと、上顎の成長が不十分となり、狭い上顎が形成されます。これにより、出っ歯や叢生(歯が重なって生える状態)が生じます。
  • 低位舌位: 口で呼吸することで舌が低い位置に下がり、上顎の成長を妨げます。正しい舌の位置は、上あごについている(上の前歯の後ろ)状態です。この位置を保つことが重要です。

 

  1. その他の口腔習癖

その他の口腔習癖には、以下のようなものがあります。

  • 頬杖をつく: 頬杖をつくことで顔面の左右のバランスが崩れ、顎の成長に影響を与えることがあります。
  • 口をポカンと開ける: 常に口を開けている状態は、口腔内の乾燥を招き、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
  • 爪を噛む: 爪を噛むことで前歯に過度な力がかかり、歯の摩耗や歯茎の損傷を引き起こす可能性があります。

 

これらの癖も、長期間続くと歯並びや噛み合わせに影響を与えることがあります。お子さまの行動を観察し、必要に応じて専門医に相談することが大切です。

 

■口腔習癖を治すためには?

4歳ぐらいまでの指しゃぶりは成長過程の一部であり、無理にやめさせる必要はありません。しかし、5~6歳を過ぎても続く場合は歯並びに悪影響を与えるため、治すことを考えるべきです。

 

  • 対策

お子さまがどんな時に指しゃぶりをするのか観察し、適切な対応を考えましょう。例えば、眠る時に指しゃぶりをするならば、手を握って安心させるなどの方法があります。

アレルギー性鼻炎が原因で口呼吸している場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。また、口を閉じ、正しい位置に舌を置くことが必要です。正しい舌の位置は、上あごについている(上の前歯の後ろ)状態です。

 

■最後に

口腔習癖は無意識に行われるため、すぐに治すのは難しいことがあります。多くのお子さまは成長と共に自然と癖がなくなるので、焦らず温かく見守ってください。気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

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